黄色いブログ

ヤフ風呂で、キャンディーズブログを書いていました。ヤフーが閉じてしまったので、こちらに引っ越してきましたが、操作ミスで全ての記事を削除してしまい、1からの出直しです。

#わな 1977年12月5日発売 #キャンディーズ 15枚目のシングル曲

今日は「わな」の発売記念日ですよ。

 

ボクが「わな」に特別な思い入れを持っていることは、知っている人は、知っていると思う。

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キャンディーズへの手紙

この本に寄稿した文章にも「わな」のことしか書かれていない。

つたない拙稿を掲載してくれた編集者の方には、この場を借りてお礼を申し上げたい。

ただ、ボクは「そのとき”稲妻”が走った」をタイトルとして付けたのだが、本文の冒頭にに埋没させられ、編集者により凡庸なタイトルが付けられたのは、残念極まりない。あんな凡庸なタイトルをボクが付けたと思われたら、ボクの沽券に関わる大問題だ。
この際、訂正しておきたい。

あの寄稿の本当のタイトルは「そのとき”稲妻”が走った」ですよ。

 

「わな」は、喜多條忠氏の発言を元にすると、渡辺プロ社長渡辺晋氏から、1対1の対面で直接依頼された「1年で、キャンディーズを大人の女にしてやってほしい。4曲任せる」という、いわゆる「キャンディーズ大人化計画」である。喜多條氏は、3人の誰かが結婚でもするのか、と思ったと語っている(「我が愛しのキャンディーズ」より)。

キャンディーズナベプロの契約は、3年契約であった。1973年9月1日「あなたに夢中」発売日を基点とすると、1976年8月末日で期間満了となる。キャンディーズには、そこで契約更新しない選択肢もあった。

契約には、契約期間満了の3ヶ月前迄に、更新しない意思を伝えないと、自動的に更新される条項があったようである。契約書その物を見てないので推測が入っている。その期限の直前に発売された「春一番」がキャンディーズにとって最大のヒット曲となる。契約更新を断れない状況が生まれていたのだ。

そして、キャンディーズは契約更新に応じた。ただし、3年契約ではなく、1年契約である。晋社長は、キャンディーズがいずれ解散することを理解し、それを受け入れて、三人を送り出す準備のために「大人化計画」を立ち上げたのだと思っている。

 

この喜多條発言には疑義が呈されているが、当事者の片方の渡辺晋氏が鬼籍に入った今現在、検証する手立てがない。

「哀愁のシンフォニー」は、大人っぽい曲ではあるが、大人化計画には含まれず、それ以前の曲と位置づけられる。

 

この会談が持たれたのは、1976年の秋「哀愁のシンフォニー」が発売されてから、1977年の春に「やさしい悪魔」が発売されるまでの間と推測する。(芸能界は、ものごとを先取りして進めるのが通例なので(正月番組は11月から撮影が始まるなど)哀愁のシンフォニーを絶賛熱唱中、ファンからすれば紙テープ乱舞中に、晋社長から話があった可能性もある。)

 

 

大人化計画は、1977年3月発売の「やさしい悪魔」から始まる。清純なイメージのキャンディーズに網タイツを履かせる。賛否両論あったであろう。大人化計画は、6月に、計画と無関係な「暑中お見舞い申し上げます」を挟んで、9月発売の「アン・ドウ・トロワ」、12月発売の「わな」で完結する。とボクは認識している。最後の「微笑がえし」は、大人化計画とは無関係な卒業ソング、というのがボクの位置づけである。

あいだに「暑中」が挟まったのは、郵政省とのタイアップが決まったからである。暑中見舞ハガキの売り上げに貢献した。

この衣装は、郵便番号マーク「〒」をデザイン化したものである。

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暑中お見舞い申し上げますのミキちゃん

 「やさしい悪魔」の作詞は喜多條氏、作曲は吉田拓郎氏である。

自他共に認めるアイドル好きの拓郎は、歌唱指導を長く行うために、わざと難しい曲を書いたと言っている。イントロの「コツコツ」という音は、長年、レコーディングに立ち合った拓郎が自分のブーツで鳴らした、とされてきたが、拓郎自身が、スタッフの靴を借りて叩いたと発言し否定している。

 

「やさしい悪魔」「暑中お見舞い申し上げます」「アン・ドウ・トロワ」の連続3曲は喜多條氏が作詞している。「暑中」は大人化計画と無関係だし、大人化計画の集大成とも言うべき「わな」に喜多條氏は関わっていない。

「わな」の作詞は島武実氏、作曲は、ようやく戻ってきた穂口雄右氏である。

この集大成「わな」喜多條氏の名前はない。これが、晋社長が喜多條氏に「キャンディーズ大人化計画」を委ねたことへの疑義の一番の根拠であろう。

 

 

さて、話を「わな」に戻そう。

「わな」は、キャンディーズ15枚目のシングル曲、最後から数えて2枚目である(「つばさ」は数えない)。そして、ミキちゃんがメインボーカルを務めた最初で最後のシングルA面曲である。

ミキちゃんは正真正銘の音楽一家に生まれたサラブレッドで、キャンディーズ初期のころから絶対音感を持っていた。初期からキャンディーズの歌唱指導をしていた穂口氏も、ミキちゃんに大いに助けられたと述懐している。

そんな音楽性の高さゆえに、B面曲でメインボーカルを務めることが多く、ミキちゃんは「B面の女王」と呼ばれた。しかし、A面メインはなかったのである。

 

スーちゃんは初期4曲でメインボーカルを務めた。5曲目の「年下の男の子」以降は、10曲連続でランちゃんがメインボーカルだった。

「今度の曲はミキをセンターでメインボーカルにしよう」と提案したのは、ランちゃんとスーちゃんであった。

曲を作った作詞の島氏、作曲の穂口氏は、両名とも、ミキちゃんセンターを意識して作ったモノでは無い。と言っている。これは、ボクが直接、両先生から聞いた話なので、真実だと思っている。

だが、出来上がった曲は、見事にミキちゃんがセンターでなければならない必然性のある曲であった。それが「わな」である。

 

キャンディーズは、アイドルの枠を超えた美しいハーモニーが特徴でもある。三声コーラスのとき、ミキちゃんは低音を担当することが殆どだ。

「わな」では、

「でも、あいつはしくじった~」が大サビになり、メインボーカルのミキちゃんが、大音量で高音を歌い上げる。その直後に「Fall'in Love」とハモらなければならないが、そこでミキちゃんは低音を担当する。という離れ業を演じている。「B面の女王」の称号は伊達ではないのである。

 

さて、そろそろ21時になる。このタイミングでアップしておかないと、ボクが記念日になにもしない。と誤解されてしまうかもしれないので、一旦、アップすることとする。

 

このあと、衣装について検証していく予定である。